PID絶縁試験器
TOS7210S[SPEC80776]

概要・特長

太陽電池モジュールのPID評価用絶縁試験器
50Vdc~2000Vdc(分解能1V)の範囲で設定可能
印加電圧極性をパネル面のスイッチで瞬時に切替可能
出力は接地電位からフローティング。測定ポイント間に流れる電流だけを測定可能
電流測定値または抵抗測定値として表示切替可能
RS-232Cインターフェース標準装備

TOS7210S

この製品は高電圧を発生します
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TOS7210SPID絶縁試験器 ※専用テストリード( TL51-TOS) 付

概要

PID絶縁試験器(TOS7210S)は、絶縁抵抗試験器(TOS7200)をベースに太陽電池モジュールのPID(Potential Induced Degradation)現象の評価を正確に効率よく実行できるように設計された試験器です。極性切替機能付きで2000Vまでの出力能力とnA分解能を持った電流計を搭載していますので、PID評価のみならず、高感度測定を必要とする絶縁物の評価試験にもご使用いただけます。外部から呼び出し可能なパネルメモリー、RS232Cインターフェースを標準搭載していますので自動化システムにも柔軟に対応することができます。

TOS7210Sイメージ

PID現象とは

PID現象とは、太陽電池セルとフレーム間に長時間高電圧が印加されると、セルの発電量が著しく低下する現象です。印加される電圧が高い程、また高温・多湿環境である程劣化が進むと考えられています。
例えば、結晶シリコン系太陽電池モジュールの出力電圧が数十Vだとしても直列接続する枚数が増えるとストリング内の電位差は非常に高くなります。一方、PCS(パワーコンディショナ)は交流電源として系統システムに接続されますが接地形態はPCSにより異なります。入力側がフローティング(ー極側を接地[アース]に接続できない)で運用されるトランスレス方式も近年では増加しています。この様な場合は、セルと接地(アース)との間に高い電位差が発生します。結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、フレーム(接地[アース])に対して負極電位の高いセルがPID現象を起こしやすい事がわかっています(図1参照)。
現在、日本国内では最大システム電圧を600V、ヨーロッパでは1000Vとして太陽電池モジュールを運用していますが、事業用メガソーラーにおいてはストリング数の削減、PCSの総数削減、発電効率向上の観点から最大システム電圧を上げる傾向にあります。


図2は、結晶系シリコン太陽電池モジュールが高電位差に曝された状況を模擬しています。フレームが正極電位、モジュール回路が負極高電位に曝された状況になります。結晶系シリコン太陽電池モジュールのPID現象は、白板強化ガラス内のナトリウムイオンがセル側に移動し、劣化を引き起こしていると考えられています。(薄膜系太陽電池モジュールでもPID現象が確認されていますが、劣化のメカニズムは結晶系シリコン太陽電池モジュールとは異なります。)
現在、様々な研究機関によりPID現象の原因究明の実験・研究が進められています。

特長

出力電圧を任意設定

被試験物に印加する試験電圧を50Vdc~2000Vdc(分解能1V)の範囲で設定できます。太陽光発電のシステム電圧を1000V以上に想定した場合の評価などに対応が可能できます。また、電気・電子部品、電気・電子機器の絶縁抵抗試験においてJIS C 1302:1994で規定される電圧以外の試験も可能です。50V~1000Vの範囲では、出力特性はJIS C 1302:1994に準拠しています。

極性切替機能

本体パネルのスイッチにより簡単に出力極性を切替えることができます。PID劣化は可逆性の現象で、逆バイアス電圧を印加すると回復する場合があります。極性切替は被試験物までの配線変更の必要もなく便利な機能です。また、RS232Cインターフェースによる、外部コントロールからの切替えも可能です。

出力は接地(アース)からフローティング

出力端子は接地電位(アース電位)からフローティングされています※1。また、出力ケーブル(TL51-TOS)にシールドケーブルを使用しています。このため、被試験物と大地間に流れる電流は測定せずに試験ポイント間に流れる電流だけを測定できますので高感度で正確な評価試験が実行できます。

※1:極性が正極に設定されている端子の対接地電圧(±1000Vdc )、極性が負極に設定されている端子の対接地電圧(+1000Vdc および -3000Vdc)

アナログ出力端子

抵抗表示モードにおいては抵抗測定値に応じた電圧を対数圧縮して0V~4Vにて出力しています。電流表示モードでは電流測定値および測定レンジ(4レンジ)に応じてリニアスケールで出力しています。データロガー等の外部記録装置を利用すると被試験物の変化や劣化状況を解析することができます。

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