HOME > コーヒーブレイク > したたかな人達

したたかな人達
〜日本人よ、まじめ、正直だけでやっていけるのか?…〜

2003年7月



「強(したた)か」という言葉がある。辞書をひもとくと「しぶとくて手ごわいさま(新辞林)」とある。どちらかというと否定的な(やや悪い)印象がある一方で、粘り強さやバイタリティのようなイメージもある言葉だ。つい先日、こんな出来事があった。

◆◆◆◆◆◆◆◆

海外のある人気女性歌手のグループが来日した。ところが彼女らは滞在中の活動予定をことごとく中断・中止などして(例えば生放送の本番中、突如退席するなど…実は私もこの番組を見ていたのだが、一視聴者としては結構面食らった)、プロモーター、マスコミ関係者を煙に巻く言動を繰り返したという騒動があった(芸能ワイドショーネタなのでご存知ない方もいらっしゃるでしょうが)。当然マスコミはこの「非常識な行動」を非難した。しかも、彼女らは何ら罪悪を感ずる様子もなく、彼女らの「何がいけないの?」といった反応が、更にマスコミをヒステリックにさせた。

とろこが、彼女らは、そういった「騒動」をプロモーションに利用するという手法を以前から常套化しているらしく、そういう意味では今回の騒動も彼女らにとっては「予定通り」だったのだろう(真偽のほどはわからない)。もちろんだからといって、関係者やファンを振り回すような行為が正当化されるものではない。当然出演する以上なんらかの契約があったはずで、損害賠償といったことに発展しかねないことである。しかしだ。その一方で招聘した側に全く手落ちはなかったのだろうか?とも感じる。

そもそも彼女らは言ってしまえば「札付きのワル」ではないか。「契約」が、彼女らを「お行儀良く」行動させる保険になり得ないことは事前に想像できたはずである。つまり「契約した以上そんなことはしないだろう」といった、自分らの常識が彼女らにも当然通用すると思ったのではないか? しかし結果はかの様であった。彼女らは滞在中に、いくつかのテレビ出演と、1000人規模のコンサートといった予定が組まれていたようだが、今回の騒動でマスコミがこぞって(頼まなくても!)取り上げてくれたおかげでその数倍規模のプロモーションが「出演の手間なしで」おこなえたわけだ。そして彼女らは「また来るわ」と言い残し笑顔で帰国した。

まあ「うまくやられてしまった」わけだ。彼女らの方が一枚上手だったという話である。もし侮辱されたことに心底怒りがあるならここは「無視」でも「告訴」でもするべきだろう。それが彼女らへの制裁であるはずだ。しかし彼女らの人気を利用したいマスコミにはそれができない。記者会見席では集まって「糾弾」を演じてはいるが、その影で各社とも「おいしい」と、舌を出しているのではないか。まことに滑稽な様である。彼女らを擁護する気など全くないないが、「ああ、したたかだよな」と思った。やり方は、心情的(社会的に?)に許容できるものではない。しかし彼女らにある種のバイタリティを感じざるを得ない(もちろんただの馬鹿者という可能性も否定できないが、そうであればほどなく消えていくだろう)。

このドタバタから、これからの日本人に必要なのは「したたかさ」ではないか思った。「まじめさ」や「正直さ」もとても大事なことであるが、それだけではこれからの世界とわたりあっていけそうにない。狡猾になれということではない。本質を見抜く「洞察力」と転んでもただじゃ起きない「しぶとさ・しつこさ」。昨今の閉塞状況を突破するカギにも思えるのだが。
ただし、「したたかなだけ」というのはいただけない。それでは愛される要素がないからね。そこは勘違いしないで欲しい。

◆◆◆◆◆◆◆◆

ついでに、予想をしようと思う。「とんでもない連中」という先入観のもとで、そうでもない振舞いを見た時、「なんだ案外イイやつじゃないか」とコロっとイってしまうことがままある。だから次回もし彼女らが訪日するとしたら、おそらく今回と同人物とは思えないくらい「好印象」で振る舞うのではないかな…。まあ、そうなればまたしても彼らの思うツボであるが(くやしい!!)。

菊水電子工業株式会社 ウェブマスター
藤川 貴記 webmaster@kikusui.co.jp

お願い

ここに記されている内容は、ウェブマスター藤川の個人的な意見や感想です。
帰属する企業、立場での見解ではありません。ご了承のほどお願い申し上げます。

ページトップへ ▲