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見通しの効用
〜現実と理想をつなぐもの〜

2009年10月



世界金融危機の引き金となった
リーマン・ショックから1年が経過した。

しかし100年に一度というキャッチコピーが付いた
この不況の出口はまだ見えない。
暗闇の先にあるものが、まばゆく輝く新天地なのか。
はたまた切り立つ断崖なのか・・・。

こういった状況のとき重要なことがある。
それは「見通し」である。

◆◆◆◆◆◆◆◆

見通しについてこんな逸話(※)がある。

アルプス山脈でおこなわれた軍事演習でのこと。
若い少尉の率いる小隊が、
突然の吹雪の中で道に迷い、絶望的な状況になったという。

その時、隊員のひとりがポケットに地図を見つけた。
そしてその地図がきっかけとなり、冷静さを取り戻した隊員らは
テントを張り吹雪を耐え抜いた後、地図をたよりに無事下山したという。

これのどこが逸話なのか?
もちろんこれには続きがある。

下山後、少尉は命の恩人となった地図をあらためて見た。
そして驚いてしまった。
それはアルプス山脈の地図ではなく
なんと別の山、ピレネー山脈の地図だったのだ。

物事が行き詰まった状況下では、
その正誤にかかわらず(もちろん正しいほうがより良いのだが・・・)、
見通しの存在が、人の心理に作用する効果が大きいことを
綴ったエピソードである。

単なるラムネ菓子を、「これはすごく効く薬です」、と
患者に与えると本当に効いてしまうことがあるという
「プラシーボ(にせ薬)効果」のようでもある。

※高橋伸夫著「できる社員はやり過ごす(日経ビジネス人文庫)」より

◆◆◆◆◆◆◆◆

やみくもに、ただ、ただ頑張る、耐えるは厳しい。
先日それを実感することがあった。

私の家の近くの小学校で、
区主催の「体力テストのつどい」という催しがあった。

自分もいわゆる中年太りという
「おなかポッコリ」が気なるお年頃になってきので、
年初から始めた、筋トレ、スロトレ、走り込みなど
(最近根性なくて半分ウォーキングになっているが...)
の効果が出ているのかどうか、興味があったので、行ってみた。

体力テストなんて、高校以来である。
はたしてどういう結果になるのか・・・。

結果。
得点合計的には、一応、年齢相応だった。
やや不満だが、これが実力。甘受せねば。
なお得点は10点が満点である。

上体起こし:7点
長座体前屈:6点
反復横跳び:6点

上体起こし(いわゆる腹筋)は誉められて、ちびっと嬉しかったりする。
しかし、問題なのが・・・

立ち幅飛び:4点
握力:3点
20メートルシャトルラン:3点

意外だったのが握力で、
全く意識していなかったので、軽くショック。
たしかに、普段はキーボードとマウスしか
動かしてないからな・・・と言い訳しても仕方ない。

そして、20メートルシャトルランである。

◆◆◆◆◆◆◆◆

20メートルシャトルランというのは、
合図音に合わせて20メートルの距離を往復する。
歩くようなテンポから始まって、たんだんだと早くなってくる。
これを可能な限り続け(制限内に20メートルのライン未達で終了)、
その往復回数を計測するのだ。

20メートルシャトルランは今回はじめて体験するので
(昔はなかった項目のような気がする・・・)
要領がわからず、もうちょっと行けそうであったのだが
早めに止めてしまった。

実は、どこまで本当に頑張ればいいのかが
わからなかったのである。

去年の健康診断で心疾患の疑いをいわれたこともあって
(その後の精検で問題なしとなったが)
こんなところで、ムキになって倒れたら迷惑がかかるし、
なんといっても格好悪いよなぁ、という不安もあった。

特にまずかったと思うのは、
このテストについて予備知識がなく、
いったい私の年齢で何回往復できれば及第点なのかという
目安を持たないまま、臨んでしまったことである。

今どこまで来ているのか、
あとどのくらいあるのかわからないまま
ヘロヘロになるまで、走り続けろというのだ。

これは体力のみならず心理的に厳しかった。
続けようという気力が途中で萎(しぼ)んでしまった。

あとで調べたところ、
このテストは125回で10点満点になることを知った。
ということは、20m×125回=2.5km。
週に3〜4日、都度3〜4kmは走っているので
距離的に過大ではないことがわかった。

だんだんとペースアップしてゆくので、楽ではないのだが、
たとえば半分の63回を目標に、と思って臨めば
また違う結果になったのではないかと思う。

考えずに(無心で)やればいい結果になる、という意見もあるようだが、
それは若い人に有効な策だろう。
逆に言えば、若いから出来る方法論だ。

◆◆◆◆◆◆◆◆

蛮勇は若年者の専売特許だ。
いい大人がそれでは情けないし、できない。

大人が持つべきは知恵である。
そのひとつが「見通し」を立てることであろう。

わからない事象に対して、情報と想像力を総動員して、
無理矢理でも目鼻を付け、行動に移してゆく。
そして少し進んだら立ち止まって
また見通しを立てる。

それを笑顔で、「めげずに」繰り返す先に
自ずと希望が見えてくるものなのだと思う。

・・・ということで、
来年のテストでリベンジを果たすべく、
せっせと今日も、筋トレと走り込みに精を出すわたしなのだ。
(おい、そっちかい!)

菊水電子工業株式会社 ウェブマスター
藤川 貴記 webmaster@kikusui.co.jp

お願い

ここに記されている内容は、ウェブマスター藤川の個人的な意見や感想です。
帰属する企業、立場での見解ではありません。ご了承のほどお願い申し上げます。

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