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日本人雑考
〜日本人が日本人である理由〜

2011年7月




先行きが暗い。
そう思うからそうなのか。
ニュースの見出しを拾う。

遅々として進まない震災復興
終わりの見えない原発事故の収束
迷走する政権
官僚主導政治の弊害
電力不安による国内産業空洞化、雇用崩壊の懸念
拡大する放射性物質の2次汚染
欧米通貨不安により止まらない円高
国の借金900兆円突破

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心理学にカラーバス効果という用語がある。
カラーバスとはcolor bathと書く。「色を浴びる」。
意識している事象、情報ほど優先的に認識する状態を言う。
例えば、あなたのラッキーカラーは赤です、と言われると
町で赤い色が目につくようになるといったこと。
先行きは暗いな、という気持ちが
そういう記事を読ませるのかもしれない。

しかし、メディア自身もけして中立ではないので(建前はそうでも)、
メディアの時流の見方と、事実の扱いは無縁ではないはず。
記事、報道になった時点ですでに何らかの偏向(意図)がある。
カラーバス効果に染まったメディアに
どっぷりと洗脳されているのかもしれない。

メディア批判をしたい訳ではない。
そもそもマスコミは、そんなものだということで、
注意しましょう、記事は割引いて読みましょう、
ということでしかない。

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さて、問題はそんなことではない。
で、日本は先々どうするのだ?ということだ。
それが明示されないがために
マスコミは暗いニュースを集めて、
未来をその延長の色に染めてしまう。
暗いニュースが多いのは、
明るい未来を語るニュースが少ない、弱いことの裏返しである。

とてつもないビッグクエスチョンだが、
無い頭ながらこうは思った。
この難局は、改善や修正、ましてや改革といった
何かを変えるのだという思考では
どうも切り抜けられそうにない。
どうひねっても今の延長線上には、答えがない気がする。

では、どうするか。
なければ、発明するしかなかろう。
社会システムそのもの(概念)を再発明する思考だ。
様々な分野で行き詰まり感があって
考案される施策はどれも「焼き直して延命」の印象が拭えない。
回避策であって、解決策ではない。

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被災を前提として早期回復機能を持った都市システム
生涯勤労できる企業システム
電力供給不安定でも計画操業できる生産システム
事故を前提とした原発運用システム

バーカ、そんなもの出来たら苦労はないだろうが。

しかし、もしこれらが実現できたら、
日本は世界の救世主になれること必至だ。
人口高齢化、産業・雇用振興、エネルギー問題は世界の共通課題だ。
そして日本は先頭バッターとして
否応なくその課題に向き合わざるをえない状況にある。

これを災難と見るか、チャンスと見るか。
普通に考えたら絶対に打てない魔球が次々飛んでくる。
運が悪けりゃ文字通りデッドボールも。
だが、もし打ち返せて、
ホームランにでもなった日には・・・。

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「がんばろう!!日本」のスローガンの一方で
「日本、もうダメポ・・・_| ̄|○ 」
「ものづくりは日本ではできない・・・」
という弱音も残念ながらある。
この打席を退いて(日本を捨てて)、
勝てそうな土俵に鞍替えもひとつの判断だろう。

地震、台風など自然災害が不可避で、
狭い国土に資源は少なく、進む少子高齢化、
おまけに電力供給も一転不安定に・・・。
こう書くと、なぜこんな場所にまだいるのかと思えてくる。

しかし、こうも考えられないか。
もし日本人に使命があるとしたら
それはこういった課題を乗り越える先駆者であることではないか。
民族の誇りとは困難を越えた英知の歴史なのだ。
この国土が、状況が日本人を日本人たらしめている。
苦難あっての民族・・・。
なんともつらい役回りの民族だが。

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日本社会の70年周期説というのがある。
その説によると、どうやら2011年から数年間が
大きな転換点に当たるらしい。
ちなみに70年前は、太平洋戦争。
その更に70年前は、明治維新だった。

この苦難を越える事が
日本人が日本人であることの証に、
子々孫々語り継げる誇りになる。
そう思って頑張るしかなかろう、と。

失敗学の畑村洋太郎教授の直近の著書
「未曾有と想定外 東日本大震災に学ぶ」の引用に
物理学者寺田寅彦のこんな言葉があった。

わが国のようにこういう災禍の頻繁であるということは
一面から見ればわが国の国民性の上に
良い影響を及ぼしていることも否定し難いことであって、
数千年来の災禍の試練によって日本国民特有のいろいろな国民性の
すぐれた諸相が作り上げられたことも事実である
「天災と国防」より

でも、つらいっす・・・。
日本人はつらいよ。寅さん。

備考:「天災と国防」は著作権が消滅しており青空文庫で全文の閲覧が可能です。
70年以上も前に書かれたことがそっくりそのまま今も通用することに驚愕を覚えます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card2509.html



菊水電子工業株式会社 ウェブマスター
藤川 貴記 webmaster@kikusui.co.jp

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