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さらば、売り込みくん
〜あと10年で営業職は絶滅種〜

2012年7月




私の嫌いなものに会議があるが、
(会議依存症?〜必要な会議って何だろう〜)
もうひとつ嫌いなものがある。
それは売り込み営業だ。

手待ち時間があるときなど、何かのタイミングで
売り込み(飛び込み)営業(の電話)に
つい、つき合ってしまう時がある。

どういう売り込みをするのかな、という興味と
なんとなく業界動向・情報収集。
一部同情もあったりする。親心?
(上から言われてやらされてるのかな・・・たいへんだなぁ)

しか〜し、これが実に・・・不毛な行為。

◆◆◆◆◆◆◆◆

「売り込んでくる人」は、ほぼ「売るのが下手な人」であると思ってよい。
逆に言えば下手なので売り込んでくるのだ。
だから、響いてこないというか
マニュアル通りなのかな、というトーク。
こっちの関心はおかまいなしで、一方的である場合が多い。
もしかしたら、いい商品なのかもしれないが
残念ながら、買う気にはまずならない。

相手は、こちらが対応したということは
「脈アリ」と勝手に思い込んでいるので
こちらがのらりくらりしていると(そもそも買う気がないんだもの)
「どうですか?」
「どうしたら検討してもらえますか?」
畳み掛けるようになってくる。
強気な猛者の場合、
買うor契約しない方がおかしい位の物言いになったりして。

自社の商品に自信を持つ事は悪いことじゃない。
(それが本気かマインドコントロールかという問題はあるが)
しかし、商品の善し悪しのみで人は物を買う気になる訳じゃない。
いい商品なら買うはずだ。
これは大変な思い違いだ。

心が動かないと次の行動はないのだよ。

◆◆◆◆◆◆◆◆

買う買わないは売り手が押し付けるものじゃない。
それは買う側が決めること。
最近はその領域にスカズカ踏み込んで来るバカ者が多い。
成果を急ぐ風潮(短期で結果を求める)も
そういう人間を増やしている背景にありそうだ。

いきなり来た全く不案内の若者に
説教垂れてもしょうがないので、
これはNGと思ったら撤収モードに入るのだけれど
「営業は断られたときから始まる」と教えこまれているのか
喰い下がるんだよね・・・。
ある意味「偉い!」とは言えるが。
押しまくることしか知らないんだろうな。
ま、若い時はしょうがないか。

見込みなしと見たら、更に押すんじゃなくて
サッサと次へ行ったらいいのに。時間は有限なんだからさ。
ま、もっともそのやり方じゃ、どこでも結果は出ないだろうけど。

こう言うと身も蓋もないのだけれど、
売り込んでくる商品は、(自分に)必要のない商品と思って間違いない。
売り込まない(押し付けない)と売れないような商品てことだ。

必要とされる商品は、勝手に売れていきますよ。
もちろん「宣伝(おしらせ)」は必要。
知られないことには始まらないから。

で、知った人の心に引っ掛かる「何か」があれば
人は自分から勝手に動きます。
売り込むという行為は原則的に不要だと私は思っている。

◆◆◆◆◆◆◆◆

売ろうとするな。
知っていただく努力をしろ。
きちんと伝われば、結果として商品は売れる。
難点を言えば、それは結構時間も手間もかかる。
で、多くはそれが待てない。
だから売ろうとする。
でもそれじゃ、お客さんは逃げる。

攻めの商売というが、それは売り込むことじゃない。
頭から血がでるほど考えて、知っていただく
あらゆる努力をすることじゃないのかな。

仮に売り込んで「売れた」としても
それは「買わされた」という被害者を生んでいることであって
後々トラブルになる可能性が高いように思う。
さらに付け加えるなら、売り込みはほぼ間違いなく
値引き合戦になってゆく。わざわざ労力をかけて利益を減らすわけだ。
それって何なんだ?

それと「営業は断られたときから始まる」の
本当の意味はたぶんこういうことだ。
断られたとき粘ることでも、断られない、断らせないものにするでもない。
買い手に気持ちよく「NO」と言わせろということだよ。
断るのが面倒な相手とはつき合いたくないんだな。
だから、そう思われたら「今後はない」ということだ。

買い手が断れないように追い込むということは
買い手の裁量の一部を奪う、一種の「暴力」なのだよ。
ホンモノのセールスマンは「売らない」というが
そういうことなんだろう、と思う。

◆◆◆◆◆◆◆◆

地雷語!社会人が決して使ってはいけない42の言葉
(ぱる出版刊、中山 マコト著)

コピーライターである中山マコト氏の文調が
終始「上から目線」なので、ちょっと抵抗感があるが
(それは狙いなのかもしれないけれど)
言っていることは、なかなか面白い。

いつもお世話になっています
提案させてくださいよ
見積もりだけでも出させてくれませんか
頑張ります!

中山氏によるとこれらの常套句は地雷レベル最高の
「★★★★★」だそうだ。
何も考えずに上っ面でモノを言っているのが
バレバレですよ、ということだ。

世に、営業マニュアル本がゴマンとあるが
「河原の石ころでも売ってみせる」という
いまだ肉食的な印象の内容も少なくない。
情報流通が今程にない一昔前なら、
押し売る行為も、ひつの「情報提供(宣伝)」としての効果があったろう。

しかし、ネットなど、情報流通手段が進展した今は、
買い手が主体的に情報収集できる環境がある。
そうなると、もはや売り込みには
迷惑行為の側面しか残らない。

では営業マンは何をしろというのか。
基本的には「知っていただく努力」だと思う。
しかし、ネットの圧倒的な量と早さの前に勝ち目はなかろう。
最終的には無くなる職種ではないのかなと。

◆◆◆◆◆◆◆◆

ちょっと前まで、印刷会社には営業マンがいた(まあ、今もいるのでしょうけど)。
版下原稿の受け渡しや入稿説明の窓口要員として
毎日のように来ていたものだ。
しかし、印刷のデジタル化が進み、データ入稿になると
入稿説明が不要になった。やることはディスクを渡す事だけ。
次いで、ネットの回線速度が早くなり、
電子送稿が可能になると、受け渡し作業も不要になった。
納品も宅配便で24時間対応可能。
ここにおいて、人はまったくもって不要なのだ。
入稿ファイルサイズが数ギガの場合、
メディアに焼いて渡すことはあっても、そんなものは年に数回。
ただ送るだけなら、正社員の営業マンが動くよりバイク便の方がよっぽど安い。
そこをわざわざ、人が営業車を使って移動する「意味(=価値)」はない。

この手の話にご興味があるなら
下記をお読みいただくといい。
あなたの仕事の10年後のヒントがあるかもしれない。

10年後に食える仕事食えない仕事
(東洋経済刊、渡邊 正裕著)
2022―これから10年、活躍できる人の条件
(PHP研究所、神田 昌典著)

あと10年か20年かすると、
いまどき営業マンですか、珍しいですね、と言われるだろう。
ま、絶滅種の珍獣(生きる化石?)という意味で
逆にアピールするのかもしれないけれど・・・。


菊水電子工業株式会社 ウェブマスター
藤川 貴記 webmaster@kikusui.co.jp

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