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その「物差し」は使えますか
〜この番組の視聴率が高いうちは、この国の未来は見えないかも?〜

2002年4月



NHK総合で放映されている番組に「プロジェクトX」というのがある。結構な視聴率をあげているそうで、ご覧の方も多いだろう。諸先輩の方々の中には、涙なくしては見られない、という声もあるらしい。かくいう私も、放映開始の頃、世界初の低公害エンジンや家庭用ビデオシステムの開発の経緯、そしてそこに隠されたドラマに正直感動したりもした。(追伸:NHK様、幾度となく番組を引き合いに使わせていただいてます。スミマセンです。あ、なお受信料は BS込みでしっかり払っておりますので…念のため。)

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この番組の企画意図を想像するに、こういった過去の業績・偉業の中から、行き先を見失った今の日本を打開するエッセンスを見いだして欲しい、もしくは「こんな凄いことできたのだから、これからもできるはずだ。だから頑張ろう!」というメッセージを送ること、なのかな?、と(間違っていたらご勘弁ください)。確かに、やり遂げた、成し遂げたという事実は、素晴らしい、すごい! としか言いようがない。そこに登場する人々の超人ぶりに圧倒されてしまう。素直な人なら、「そうか、頑張れば未来は開けるんだ」と思うのだろう。

ところが、私の中のひねくれ者がこう呟く。

「確かにすごいよね。でもこれって過去の栄光じゃん。これからもこれが通用するのかなあ。登場する人たちは凄いことをやったけど、一方で出来なかったこともあるよね。仕事はできたかもしれないけど、奥さんや子供と過ごす時間、友人と語らう時間、もしくは本当にやりたかった別のことは犠牲になっちゃった。やり遂げた仕事は多くの人に何らかのメリットをもたらしたかもしれないけど、一番身近な人の幸福は置いてけぼりになっちゃったんじゃないの?これって豊かに生きることなの?」、と。

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ひと昔前なら「マイホーム主義」、「覇気がないヤツ」とか言われそうである。しかし、少なくとも私は、こういった先人たちの真似は到底できない、というか、はっきり言えばしたくないし、さらに暴言を吐けば、この価値観(仕事観・人生観)のままでは、この危機的な時代の突破は絶望的に感じる。これまでの豊かさとか成功、幸せ感の「物差し」はもう使えない。そして、「こっちの方が、もっとカッコイイし、ステキだぜ!」、と思える生き方を私たちが見い出せた(特に若い世代が気付いた)時に、この国のこれからのカタチが見えてくるんじゃないか、という気がしてならないのだ。

菊水電子工業株式会社 ウェブマスター
藤川 貴記 webmaster@kikusui.co.jp

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