PID絶縁試験器
TOS7210S[SPEC80776]

PID試験関連資料(出典:産業技術総合研究所)

価格表

PID試験関連資料(出典:産業技術総合研究所)

PID現象の試験について

独立行政法人産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター(以下、産総研)が2011年4月に発足した「第Ⅱ期高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」の中で共同研究テーマとしてPID現象を再現するための実験が行われました。TOS7210Sは、実験に必要な試験装置として菊水電子が開発を行いました。※研究内容は2014年3月19日に第61回応用物理学会春季学術講演会にて発表されました。

単セルモジュール作製

テストモジュールは、単セルモジュールとして6インチ多結晶シリコンセルを白板強化ガラス・エチレンビニルアセテート(封止材)・バックシートでラミネートされています。

太陽電池モジュールに使用される部材

  • セル基板:6 inch多結晶シリコンセル
  • 受光面ガラス:白板強化ガラス
  • 封止材:エチレンビニルアセテート(EVA)
  • バックシート:PVF / PET / PVF 構成バックシート

試験方法

受光面ガラスにアルミ板を張り、恒温槽内に設置し、PID絶縁試験器TOS7210Sと接続。
モジュール温度を85℃に保ち3枚の単セルモジュールに-1000Vdc、-1500Vdc、-2000Vdcを印加しました。

ソーラーシミュレータによる出力特性の確認

モジュールの初期(Pmax /F.F./Isc/Voc)特性と時間経過後の変化により出力低下を確認することができます。

EL(electro-luminescence)エレクトロルミネッセンスによる劣化の確認

太陽電池モジュールは外部から電圧を印加すると接合面で再結合が起こり発光します。正常な部分は綺麗に発光しますが、劣化が進むと暗部が多くなり、最終的には発光しなくなります。PID現象を確認する有効な手段として採用されています。また、PID現象は可逆性現象により時間の経過とともに劣化が軽減されたり、初期状態に近い回復をする事が認められています。

印加電圧による劣化の違いを確認

印加電圧が増加するとモジュールの最大電力(Pmax)が低下する比率が上がりました。またEL画像から判断できるように印加電圧が高くなると同時間でのEL画像暗部が増加していることがわかります。

逆電圧印加による回復試験・結果

PID現象は可逆性の現象で試験終了から、放置または逆電圧を印加することで、劣化が軽減されたり、初期状態に近い回復をするモジュールもあります。TOS7210Sは、スイッチにより極性切替が容易にできます。被試験物への接続等の混乱もなく作業ができます。Pmaxの低下が著しいモジュール(-99%以上)は、長時間電圧を印加しても回復は見られません。それに対してPmax低下が中程度(-53%~-71%程度)の場合は0.5時間~2時間経過でほぼ完全な回復がみられました。また印加電圧に依存せずに回復しています。


▼PID実験により出力低下が-99%以上となったサンプルの回復

▼PID実験により出力低下が-65%~-71%以上となったサンプルの回復

▼PID実験により出力低下が-53%~-58%以上となったサンプルの回復

さまざまな評価方法

現在(2014年7月)、評価試験方法や判定基準等は規格化されている状況ではありません。各国の研究機関や試験所、モジュールメーカーにより独自の評価を行っています。

  • 水張り法:モジュールガラス面に水を張り電圧を印加する方法
  • チャンバー法:恒温槽内で温度・湿度を管理し電圧を印加する方法
  • アルミ法:アルミホイールでガラスを覆うか、アルミ板をガラス面に密着させて電圧を印加する方法

それぞれの試験方法による優劣、温度・湿度の差、試験時間の違い等、規格化に向けて実験を重ねています。国際規格IECでは、PID現象に対する試験方法を策定中です。

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