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第3話回路方式をイメージで覚える(上)

第3話コラム

第3話および第4話(次話)は回路方式についての理解がテーマです。普通であれば、回路方式の違いの説明としては回路図を用いるのが妥当でしょう。しかしこのマンガは回路図を「禁じ手」にしてしまいました。さあどうしたものか(笑)。考えた方法は「内部構造のイメージ」と「比喩」です。ラボ(実験)用直流電源の外観は、メーカーやラインアップが違えど、そう極端に異なるものではありません。表示器(メーター)、操作ツマミやボタン、出力端子などが付いた箱状の機器で、デザイン(配置・配色や素材)の違いはあっても、外観のみで内部構造(回路方式)を判断することは(筐体サイズと出力容量からの推測は可能でしょうが)多くの場合困難です。

外観と内部構造がリンクしていないとなれば、残る手段は「臓物を直に見ること」です。そこで、回路方式の特徴と内部構造をリンクさせて(イメージとして)覚えてもらうために、回路を特徴付ける部材に着目しました。宇都木は、秋葉原のジャンク屋さんで手に入れた中古品のケースを開けて、水美(みなみ)に見せます。なお、今ならネットオークション等で探すのが普通でしょうが、それだと味気ないので、ここは昔ながらの入手方法で描写しました。当然、中を見たところで、みなみには方式による違いなどさっぱりわかりません。しかし「ドロッパ方式」の製品であてずっぽうに指した「重そうな黒い物体=電源トランス」。それが大正解というわけです。

両方式どちらにも、電子部品が載った基板や配線ケーブル等がありますが、ドロッパ方式に目立つ部材があります。それが非常に大きな「電源トランス」および「放熱器(ヒートシンク)」です(※放熱器については次話で触れます)。スイッチング方式でもトランスや放熱器が使われますが、同出力容量のドロッパ方式のそれと比べると、はるかに小さいものです。トランスは芯となる鉄とそれを巻く銅線の塊であり、その大きさ(芯材や巻線の量)は、回路電流の周波数の高低と 関係します。周波数が高ければトランスは小さくできるのです が、ドロッパ方式は低周波数(50または60Hz)なため、 理論上小型化が困難です。トランスサイズは機器の総重量に直結します。スイッチング方式と比べてドロッパ方式が重く、また大きくなる理由のひとつがこれです。

ドロッパ方式は「重くて大きい」。まずはそう思ってOKです。しかしここで疑問が生じます。こういった電子機器のトレンドは「軽薄短小」が基調。であれば、重くて大きい(しかもスイッチング方式と比べて体積当たりの出力容量が劣る)機器など、とうの昔になくなっていると思いませんか? ということで、次話(第4話)では、各々の回路の動作原理を「比喩」で説明します。これを知ると、ドロッパ方式がなぜ今も使われるのか、その謎が解けます。そしてそれは直流電源を選ぶときの、判断基準のひとつ(知識)になるはずです。

第3話回路方式をイメージで覚える(上)

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