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第4話回路方式をイメージで覚える(下)

第4話コラム

第4話は、実験用直流電源の主要回路方式である「スイッチング・レギュレート方式」と「シリーズ・ドロッパ方式」についての説明です。なお「シリーズ・ドロッパ方式」については、「シリーズ・レギュレータ」や「リニア・レギュレータ」といった呼称もあります。また「ドロッパ(Dropper)」は、入力電圧を降圧する(=ドロップ:下げる)ことにより任意の直流電圧を得ることから、その名が付きました。

さて、当作品では「比喩」を理解の手段として利用しています。世の例を見ると、この 2 つの方式の動作原理を「水の流れ」つまり配水システムになぞらえることが多いようです。しかしそれでは面白くない。というか比喩の対象物はもっと身近なものの方が、納得を得やすいのではないか。「水路に水車があります・・・」と言われても、(知ってるけど)見たこともないもので例えられても、ピンと来ないのではなかろうかと。そこで誰もが食べるであろう「パン」。おそらく、電源の回路方式を、パンで例えたのはこのマンガが「世界初」でしょう(笑)。

スイッチング方式は「くびれパン」をちぎるよう に、電気エネルギーの断続によって出力を制御。一方ドロッパ方式は、入力される電気エネルギーの取捨(横穴から漏れるチョコレート量)によっ て出力を操作します。スイッチング方式は電気の断続、つまり「スイッチオン・オフ」をおこなう電子部品(半導体)が機器構成部材の主要を占めるため、ドロッパ方式のような「大きな電源トランスや放熱器」がありません。それが機器の「小型軽量化」を可能にした理由です。しかし断続動作は同時に「ノイズ」の発生源になるため、それが欠点の原因にもなっているわけです。
一方、ドロッパ方式は電気を切れ目のない(=シリーズ:続いた)エネルギーで扱うため、理論的にはノイズレスです(実際は若干あります)。またスイッチング方式のように電気が「瞬間的に途切れること(=オフ)」がないので、負荷変化に対する応答遅れが起きにくく、それが利点となっています。現役製品としてドロッパ方式が今日も支持されている理由がそれです。しかし、大きい、重いに加えて電力損失が大きい(横穴のチョコは捨てる=排熱処理)という欠点があります。

実験等で直流電源を使おうとしたら、誤作動する、電圧がフラつく、もしや直流電源の故障では?という問い合わせを頂くことがあります。よく話を伺うと、それは直流電源の選択ミス(スイッチング方式では無理)というのが少なくありません。昨今の組込み用直流電源はスイッチング方式が大勢で、それは裏を返せば、電源のノイズや過渡応答性能を気にしない製品(回路)が増えたということであり、実験においてスイッチング方式の直流電源が問題になる例は少ないでしょう。しかし思うように直流電源が使えない時、「もしかして電源の回路方式が合ってない?」という問いを、まず持っていただければと思うわけです。

第4話回路方式をイメージで覚える(下)

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