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第9話インターフェース(上)

第9話コラム

本作品も残すところあと 1 話となりました。実は 8 話まででお伝えしたい主題は描き終えており、この 9 話と 10 話は「知っておくと役に立つかも」といった内容にしました。それが直流電源の「インターフェース」です。

実験用の直流電源の主用途は、回路の動力源でしょう。しかし実験用直流電源が「実験用」たる所以は「出力可変型」であることです。つまり実験用直流電源は「任意電圧・電流発生器」とも言えるわけです。これは被試験物の動特性(どうとくせい=外的要因による回路の挙動変化)の試験において必要な機器で、たとえば「入力電圧変動試験」。5V で動く回路に 4V や 6.5V が入力された時に回路はどうなるのか?そういった試験は出力可変型である実験用直流電源が便利なわけです。しかし、では周期的にふらつく電圧(例えば 5V±10%)を条件としたい時はどうするか。直流電源の設定つまみを指でグリグリ回すことで模擬できそうですが、手動で正確かつ長時間繰り返すことは無理でしょう。そこで外部制御(=インターフェース)を使って自動制御しようというわけです(シーケンス機能付きの製品を使う方法もあります)。

かつての実験用直流電源の外部制御は、アナログ信号(電圧や抵抗、接点)を直流電源の制御端子に入力することで行う例が多かったと思います(今も使われますが)。これは手軽な反面、正確性・精密性にやや欠けるため、自動試験装置などでは、Hewlett-Packerd 社が開発した計測器用通信方式をベースにした「GPIB」と呼ぶインターフェースが使われました。かつて自動計測の通信といえばGPIB だったわけです。その後 IBM 社のパソコン(PC/AT)が登場し、パソコンに装備されている RS232C (シリアルポート)が使われるようになり、さらに 2000年以降、USB や LAN(イーサネット)へと通信方式の主役が変遷してきています。特に USB や LAN は、その汎用性と「プラグアンドプレイ」といった簡便性によって、机上実験から大掛かりなシステムまで幅広く利用されるようなっています。
ならば、古い規格の GPIB はもう不要と思いきや、枯れた技術ならではの信頼性があり、また RS232C も、PLC 等の外部コントローラとの好相性から、双方底堅い支持があります。なので近年の実験用直流電源は、こういったレガシー(旧式)とモダン(新式)の両方に対応しなければならず、製品開発は結構大変です。特に小型化が著しい昨今は、新旧のコネクタが並ぶ背面はまるでパズル。直流電源の外部制御コネクタ配置は、実はインターフェース変遷の歴史や用途の縮図でもあるわけです。

さて、次回はいよいよ最終回。倒れてしまった水美(みなみ)は大丈夫なのか?、新製品プレゼンは上手くいくのか?、はたまた二人の恋の行方は?、ついでにちょっとだけお勉強(笑)と・・・内容てんこ盛りでお届けいたしますのでご期待ください!!

第9話インターフェース(上)

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